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死の超越

ドーンガード

生き別れてしまったセラーナの母親であるヴァレリカが、ヴォルキハル城から逃げ出す際に持ち去った星霜の書を探すため、セラーナと共にソウル・ケルンに入った。

 

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ソウル・ケルンは、とても静かなところだった。

 

 

音がないというより、音を立てる要素(人や風や自然にある全て)がない

そんな場所だった。

 

付近には、彷徨い疲れた魂が静かに佇み、それは何世紀も続いているかのごとく

静かな様だった。

 

「空気も、地面も、何もかも間違っていますわ」

セラーナも呟く。

 

私はとりあえず静かな冷めたソウル・ケルンで、異彩を放つ、

大きな城のような建物を目指した。

 

そこは、おそらくは城であるが、同時になんらかの象徴のようにも思えた。

 

「お母様!?」

セラーナが叫ぶ!

 

柱の陰に人影(ここソウル・ケルンで実体を持った存在は初めて会った)が

いたのだ。

 

「神よ、まさか、セラーナ?」

その人影が近づく。

 

どうやら、何世紀ぶりかの母と娘との再会の時が

ここソウル・ケルンで実現したようだ。

 

しかし、感動の再会となるはずの彼女らの話はどうにも噛み合っていなかったが、

ヴァレリカが私にきつく詰問してきた内容から、大体の事情は読めた。

 

どうやら、

吸血鬼の王でありヴァレリカの夫、セラーナの父でもあるハルコンは

吸血鬼が太陽を克服する方法があると信じているらしい。

その鍵は星霜の書にある。

ここまでは今までの流れ。

さらに、ヴァレリカから語られたのは、

星霜の書、それ自体は単なるお告げ、知るための手段。

実際にその儀式に必要となるのは、「コールドハーバーの娘」と呼ばれる存在。

そしてコールドハーバーの娘とは、吸血鬼になるための試練を乗り越えた、

ほんの一握りの存在で、今は世界に二人しかいない。

 

つまり、

 

ヴァレリカと、セラーナ。

セラーナがディムホロウ墓地で星霜の書と共に眠りについていたのは、

他ならぬヴァレリカの手によるもので、

ハルコンの太陽消滅計画を止めるため、やむなくそうした。

そして自身もソウル・ケルンに身を隠した。

 

全てはコールドハーバーの娘である自分たち母娘が、太陽の専制に

用いられぬよう。ハルコンが、アーリエルの弓を射りセラーナの血で

武器を染めれば太陽の専制を完成させぬよう。

 

セラーナ「お父様もお母様も、自分の信じた道を進むことに躊躇いはなかった。

結局そのどちらも、私を道具として扱うことに変わりはありませんわ。

でも私はもう一度家族に戻りたい。それがたとえ分不相応な高望みだとしても」

 

ヴァレリカ「ごめんなさいセラーナ、知らなかった。わからなかった。

あなたがそう望むなら、私の星霜の書はあなたのものよ」

 

どうやら、母娘はいっときの氷解となったようだ。

だが、ヴァレリカは私に対して懐疑的な目を少しも許していないようだったが。

まぁいい。

 

ヴァレリカは自身がソウル・ケルンのアイディールマースターと呼ばれる

強大な力を持つ存在に幽閉されているといった。

(確かに彼女と私たちの間には、なんらかのエネルギーの壁のようなものがある。)

 

だから、幽閉を解くためにまずは、墓場の番人と呼ばれるものたちを倒し、

障壁を取り除かないと、星霜の書を渡すことはできないと言うのだ。

 

なるほど、やることは理解した。

そう思った時、ヴァレリカはさらに言葉を続けた

「アイディールマスター達は私を見張るため、ダーネウィールと名乗るドラゴンを

見張りにつけている。もし敵視されれば間違いなく襲ってくるはずよ」

 

ドラゴン?

 

私はヘルゲン砦を思い出した。

あの時会ったアルドゥインよりこの時まですっかりドラゴンの存在を忘れていたが、

、、あの強大な力がここにいるのか。

 

うむ。これは少し厄介だな。

 

 そんなことを考えつつ、私は三人の番人を倒しに向かったわけだが、

この地にいるスケルトンや、その他の敵、そして番人は、

明らかに外の敵のそれ以上の察知能力を持っているようだったので

不意打ち攻撃がしにくいばかりか、不意に進んで敵に取り囲まれる事も

多く、なかなかに苦労した。

 

だが、なんとか三人の番人を片付けヴァレリカの元へ戻ると、

「星霜の書を渡しましょう。ただ、注意してね。おそらくすでに

ダーネヴィールに気づかれているはずだから」と言われてしまった。

 

ダーネヴィール。

この流れだと相当苦戦することになるな。

 

私は直感した。

 

 

ダーネヴィールは予想通りやってきた。

それは雄大なるドラゴン。黒き影のもの。

 

だが、予想に反し、戦い自体は意外とあっさりとしたものだった。

 

実際、かなり肩透かしな感じしたが、

確かにそれは地に落ちた。

 

そして彼の、亡骸は跡形もなく消え去った。

 

ヴァレリカ「ダーネヴィールの死を見るなんて、想像もしていなかったわ」

 

そして彼女は自らの所持する星霜の書(血)の場所まで案内すると、

我々にそれを渡した。

 

「欲しいものを手に入れたのだから、もう行くべきだわ」

 

彼女は言う。

 

どうやらコールドハーバーの娘として、一人ここに残るつもりらしい。

「さようなら、ハルコンは信用できないことを忘れないで。そしてセラーナをお願い」

 

外に出ると、そこには先刻倒したダーネヴィールがいた。

「武器を下ろすがいい、クァーナーリン。話がしたい。」

 

驚きを隠せない私に彼は静かに語りかけた。

「我々が敵対することは必然だった。私に課せられた制約によって。

だが、戦さ場で倒された事が一度もなかった私を貴様は倒した。

よって、征服者を意味するクァーナーリンの名を授けよう。」

 

どうやら彼はお互いの実力を認め合ったもの同士、頼みごとをしたいらしい。

 

ドラゴンから頼みごとか。

悪くはないな。

 

そう思って聞いていると。

「タムリエルの空を久しぶりに飛びたいが、

我はここソウル・ケルンと強く結びつきすぎた。そこで、

クァーナーリン、お前に我が名預けタムリエルで呼びつけることを許そう。」

 

つまり、このドラゴンの強大な力を召喚魔法のように使えるのか!

 

どうやらこのソウル・ケルンに吸血鬼にまでなって来たことは、

無駄ではなかったようだ。

 

私は星霜の書、そしてダーネヴィール。二つの大きな力を手に入れる、

意気揚々とスカイリムへと戻った。

 

次はそう、星霜の書(竜)を手に入れるため、

ウィンターホールド大学に行く必要があるな。

 

私は疲れを感じつつ、そう思ったが、

その前に、この忌々しい吸血鬼の呪いを解きたいな。と感じていた。

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