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ブラインドサイト

盗賊ギルド 保留中

広大なドワーフの遺跡であり、伝説の“ファルメルの目”があるとされるイルクンサンドに向かう。カーリアとブリニョルフが中で待っている。

 

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イルクンサンドは今まで見た中でも1、2の大きさを持つ遺跡だった。

その入り口にたどり着くまでにもかなりの腕前を要し、

山賊達がたむろしているところをすり抜けつつ、足場を確保して進まねば

ならなかった。

 

しかし驚いたのは、中に入ってからだ。

 

広い。

 

いや広いだけなら良い、隠密性に長けたナイチンゲール装備の本領発揮と

いったところだ。だが、おそらく、広いだけではなく、深い。

 

攻略にどれだけの時間を要するのか、入り口からでは全くその全容を

計り知ることのできない、懐の深さがそこにあった。

 

用心して進むと、そこはドワーフの遺跡の名に違わぬ場所で、

ドワーフ・スフィアなる見たこともない敵が、不意に襲ってくる危険な

場所であり、至る所に罠が張り巡らせてあった。

 

ドワーフの金属片?だがそんなところだからこそ、見知らぬアイテムも

多くあり、それは私の好奇心を大いに刺激したものの、

やたら重いこのアイテム達をどうしようか迷いつつ進むと、

そこにカーリアとブリニョルフがしびれを切らして待っていた。

 

「メルセルがここにきたことは間違いない。そんなに時間が立っていないと

いいのだけれど。」カーリアが言う。

 

どうやらあの罠臭しかしない地図は、ビンゴの地図だったようだ。

メルセルを買いかぶりすぎたか?

 

しかし少し進むと、ひらけた展望台のようなところに

(それでも建物内だが)に出た。

 

カーリアが叫ぶ「メルセルだわ!」

「あの野郎」ブリニョルフも駆け寄る。

 

だが、メルセルがいたのは展望台からはるか下の台地の脇であり、

すぐに向かうどころか、声すら届かないような場所、、のはずだが、

どうやらさすがメルセル。

気配かカンか。我々3人を挑発しているかのように振る舞い、

そして消えた。

 

「雪帳の遺跡でのキレの良さは健在だな。」

私はあの時の記憶を、彼の動きを思い出していた。

おそらくこれから対峙するであろう彼の動きを。

 

影に消えたメルセルを追うため、さらに遺跡を進むと、

そこは重装備に身を固めたファルメル達の居住区だった。

 

私はいつものように慎重に、しかし確かな歩みを持って、、

っておい!

 

ここまで好戦的とは思わなかった二人は、

発見されるや否やファルメルをあっというまにボッコボコにしていった。

 

しかし、ここのファルメルは強いな。

しかもなかなかいい物を持ってる。。

もっと持ち物を軽くしておくのだった。

 

そんなことを考えていると、

ブリニョルフ「ショールの羽にかけて。あの獣を見てみろ」

カーリア「ドワーフ100人隊長ね、しぶとくて厄介な相手よ」

 

個人的には、今までのファルメルブロイラーも十分厄介だったが、

どうやら中ボス的なやつがいるらしい。

・・・・最も、私自身は場所が悪かったのか、まだドワーフ100人隊長と

思わしき影は発見できてなかったわけだが。

 

しかしそのあとの戦いはなかなかに敵味方入り乱れた乱戦につぐ乱戦だった、

ドワーフセンチュリオンと呼ばれる人型大型兵器をファルメルが集団で

ボッコボコにしたかと思いきや、脇にあった卵からシャラウスハンターの幼体が

飛び出すは、そもそもファルメルブロイラーが5体で寄ってたかってくるはで、

 

まぁ、端的に危なかった。

 

ただ、恐らくはナイチンゲールのブーツのおかげだろう。

視界を捨てて聴覚に頼るファルメルは、ナイチンゲール装備で

隠密状態となれば、こちらをほとんど補足できなかったので、

影にしのびつつ、遠くから弓矢で一匹づつ確実に仕留めていった。

 

ちなみに、そのフロアの敵は全て倒したが、噂のドワーフの100人隊長らしき

相手がいなかった、、移動したのか??

 

それにしても、この遺跡にはファルメルばかりがいるな。

しかも強い。

いちいち相手をしてられない。

 

私は必要なファルメルのみ倒して進むことにした。

しかし、、、途中拾ったアイテムや装備の選別にはかなり苦労した。

実際、、、敵と戦っているより、重量制限と戦っているかのごとくだった。

 

「やつはすぐそこよ」カーリアが言った。

ふと気がつくと、目の前にはものものしい扉が道を塞いでいた。

「いよいよだな、ガルスとギルドのために!」

ブリニョルフも気合を入れる。

 

私は、あの無防備な状態で、死を悟らせた屈辱の最初の一撃を

決めた時のメルセルの姿を思い出していた。

 

「次は貴様の番だ メルセル」

低く冷たく呟くと、イルクンサンドの聖域へと続く扉をゆっくりと開いた。

 

メルセルがいた。

 

次の瞬間足場が崩れ、カーリアとブリニョルフと一時的に離れてしまった。

 

すると計っていたようにそこにメルセルが近寄ってきた。

 

メルセル。

 

久しぶりのあの不敵な笑み、そして自信満々の長ったらしい講釈。

ああ、そうだ。

こいつは、、メルセルだ。

 

「私は、貴様を、殺る」

 

メルセル「復讐のためか!俺たちと行動を共にしたくせに、何も学ばなかったと

いうわけか!早く目を覚ませ、お前は俺の同類なんだよ!

嘘つきで、詐欺師で、どうしようもないコソ泥だ!」

 

「メルセル。その通りだ。だからお前を殺す、同類ならわかるだろ?

私を突き動かすものがなんなのか。貴様は私の名誉を傷つけた。」

 

メルセル「お前は自分のくだらない主義につまずきやがった、不壊のピックが

無限の名声をもたらすものなのに!」

 

「つまづくのはお前だ、メルセル。」

 

メルセル「ならばもう話すことはない、この剣に再びナイチンゲールの血を

吸わせてやる!」

 

メルセルとの死闘はなかなかのものだった、

透明化の魔法を繰り返し使い、可能な限り透明となって襲いかかるメルセル。

その剣技は凄まじく、まともにやり合えばひとたまりもないだろう。

 

さらにブリニョルフはメルセルの幻惑魔法で正気を失い、

カーリアに襲いかかっていた。

 

絶体絶命、孤軍奮闘そのような言葉が脳裏に浮かんだ。

 

だがしかし、、やつがいかに優れた透明の術を使おうと、

剣技で私を圧倒しようと、私には絶対に負けないものがある。

 

私は“それ”を使ってきた。

今まで幾度となく“それ”に助けられ

そして“それ”を過信したせいで、命を危険にさらすことすらあった。

 

メルセルになくて私にある“それ”は、“それ”こそが。

 

私は、静かに、そしてゆっくり、メルセルに向かって、

最後の矢を放った。

 

「さよなら メルセル」

 

矢は音も立てず、静かに一直線に、彼の心臓を 貫  い    た      。

 

しかし時を同じく、ファルメルの右目と左目を失った宝物庫はその存在意義を

無くし、そして、仕掛けられていたであろう古代のトラップにより、

全てを水に封じ込めるがごとく、大量の水が宝物庫内に流れ込んできた。

 

「あの扉はもうダメ、別の脱出路を見つけないと!」

カーリアが叫ぶ!

 

私は、迫り来る水位と戦いながら水の中を必死に泳ぎ、

そして、宝物庫の天井付近に開いた少しの隙間から

なんとか脱出に成功した。

 

「信じられない、これで終わりなのね!私の25年の放浪も

やっと。」カーリアが歓喜の声を上げる。

 

しかしメルセルを倒したそのすぐ後だというのに、

どうやらカーリアは私に次はすぐに「不壊のピック」をノクターナルの

聖域に返してこいというのだ。

 

しかもそこは、黄昏の墓所の裏門とも言える試練の道を通って行かねば

ならず、そこにはノクターナルを狂信的に崇拝する危ない集団が

たむろしてる。と。

 

「わかった。任せろ!」

 

そういうと、私は盗賊ギルドで大事な用があるらしいブリニョルフ、

ノクターナルの聖地には足を踏み入れたくないカーリアと

一時的に別れた。

 

少し離れ、彼らの姿がないことを確認する。

「さて、と」

「不壊のピックの開けごこちとやらを、試して回るか!」

 

そう、私は盗賊なのだ。

ノクターナルの聖地に不壊のピックを手放す以上の

お宝、利益、メリットがない限り、

危険な道を通って返しにいく道理は一つもない。

 

今はね。

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