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湿ったスピリッツ

盗賊ギルド リフテン

リフテンで最も影響力があり、最大の富豪である、メイビン・ブラック・ブライアと話すよう送られた。ブリニョルフによれば、彼女にはこちらにとって最重要の仕事があり、指示には厳密に従う必要がある。

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リフテンの裏の顔、メイビン・ブラック・ブライア。

あのブリニョルフが「このリフテンで彼女の意思を通さず決まることは何もない。」

とまで言った人物。

 

彼女は、ビーアンドバルブの酒場の2階にいた。

一目見るなり値踏みし、それをズケズケと相手にかましてくるとは、

さすがはリフテンの権力者と言ったところか。

 

しかし、その言葉には一抹の心理。

いや、ひとかどの権力者ならすべからず持っている凄みのようなものが含まれていた。

 

彼女が言うには、ブリニョルフが使えるやつを送って来たのは

しばらく見たことがないが、お前は扇動屋なのだろう?使ってやっても良い。

ホニングブリュー醸造所のサビョルンと言う男を罠にはめ、

ホニングブリュー醸造所、つまるところ商売敵を排除したいらしい。

そしてハチミツ酒市場を独占する為に手を貸せ。というのだ。

(ちなみにここスカイリムではビールよりハチミツ酒の方が人気だ。といえば、

その市場規模と独占利益がどのくらいかは容易に想像がつくと思う。)

 

私は、彼女に言われるままに、ホニングブリュー醸造所を潰す手はずを聞くため、

まずはホワイトランのマラス・マッキウスを訪ねることにした。

(このメイビン・ブラック・ブライアはなぜか嫌いではない)

 

ホワイトランは、雨が降っていた。

 

そういえば、しばらくリフテンの盗賊ギルドで仕事をしているから、

ホワイトランに来るのは久しぶりだな。

 

そんな感想がふと頭をよぎる。と言っても、所詮は流れ者の身、

この地はおろか、リフテンに戻ったとしても、知り合いと親しく挨拶できる者など、

数える程もいやしない。

 

マラスはホワイトランの酒場の隅で静かにグラスを傾けていた。

彼は、やはりと言うか、ホニングブリュー醸造所使用人としてサビョルンに

こき使われているメイビンのスパイだった。

 

彼の言うホニングブリュー醸造所失墜計画はこうだ、

ホニングブリュー醸造所は今深刻な害獣被害にあっている。

(実際のところマラスが害獣を広めたのだが)

そしてその事は町中が知っているため、何がなんでも害獣を葬り、

ホニングブリュー醸造所は清潔であると知らしめないといけない。

そこで、サビョルンは衛兵長を招待して試飲会を開催することにした。

当然、害獣を退治してから、だ。だが、そのためにはまずは害獣駆除を

腕の立つ誰かに頼らないといけない。

 

つまり、私だ。

 

サビョルンに雇われた、腕の立つ私が害獣を駆除して、清潔になった

ホニングブリュー醸造所で、衛兵長に信用回復のためのセレモニー的試飲会で

新作ハチミツ酒を振る舞う。これがサビョルンのストーリー

 

マラスはストーリーは、

サビョルンに雇われた腕の立つ私が、害獣を駆除して、

(そして、試飲用のハチミツ酒に害獣駆除の薬を混ぜ)清潔になった

ホニングブリュー醸造所で、衛兵長に信用回復のためのセレモニー的試飲会で

(害獣駆除の薬入り)新作ハチミツ酒を振る舞う。(そして当然激怒した衛兵長

サビョルンを牢屋にブチ込み、その後釜としてマラスがホニングブリュー醸造所を

仕切る)

 

当然マラスはメイビン・ブラック・ブライアの息のかかった者。

ホニングブリュー醸造所は実質メイビン・ブラック・ブライアの物になる

ストーリーだった。

 

この手の悪巧みは嫌いではないな。

 

と、思えたのは、サビョルンに直接会った時だった。

もしここでサビョルンが、少なくとも表面上はいいヤツだったら、

ハチミツ酒に毒を混ぜるのを躊躇っただろう。

流れ者の身としては例え仕事を拒んで、

メイビン・ブラック・ブライアから睨まれようが、

リフテンに近づかなければいいだけの話だ。

 

だが安心した。どうやらサビョルンは強欲が服を着て、

傲慢が顔に張り付いているような、そんな男だ。

 

そんな男の話を聞く必要もなければ説得も無用。

適当に前金を威圧してもらうと、とっとと仕事に取り掛かることにした。

 

だが、害獣駆除は思ったより骨が折れる作業だった。

なぜなら、一般的な害獣、毒を持った大型のネズミや蜘蛛よりも

厄介な害獣がそこにいたからだ。

 

アムリンというその大きな、人の姿をした害獣は、

スキーヴァーと共に地下で生活するイカれた男だったが、

その魔法はなかなかに侮れなく、地下という閉鎖空間と相まって、

危うい一線を越えさせてきた。

 

しかしこういう時アウェイな場所ほど落ち着きが物を言う。

強引で焦った攻め方をやめ、彼には普段のやり方で落ち着いてトドメをさした。

(つまり背後からブスり、だ。)

 

そのあと、スキーヴァーの巣と、サビョルンのとっておきの新酒にたっぷりと

毒を盛って、その足でサビョルンの試飲会へと向かうと、

そこには試飲会に参加するため、ホワイトランのカイウス司令官が来ていた。

 

「支払いを急ぐ必要はあるまい、試飲会の様子を見て言ってくれ」

サビョルンはそう告げたし、私は頼まれなくとも、

その様子は是非とも見ておきたかった。

 

なぜなら

一つは、仕事の成り行きをしっかり把握しておきたかったからだが、

もう一つは、そう、毒の効果が、どの程度か見ておきたかった。

 

カイウス司令官が飲むのなら、毒を特製ブレンドにしたのに。

そんな後悔が頭をよぎったが、とりあえず、毒入りホニングブリューを飲んで

眉をへの字に歪ませるカイウス司令官の顔を見れただけでも良しとしよう。

 

そのあとのことは特筆するまでもない。

サビョルンはカイウス司令官に毒入りホニングブリューを飲ませた罪で逮捕され、

マラスは静かに口角を上げ静かにニヒルな笑みを見せた。

 

メイビン・ブラック・ブライアはというと、

ホニングブリューを手に入れたことより

「サビョルン一味とその薄気味悪い影の支援者に、

この私に喧嘩を売ったことを後悔させてやりましょう」

と息巻いていた。

 

さすがだな。リフテンの影の支配者。

 

そのことをブリニョルフへ報告すると、

盗賊ギルドとメイビンの仲を引き裂こうとする奴等の手がかりを

メルセルが掴んだと教えてくれた。

 

やれやれ、次はメルセルか。

どうやら盗賊ギルドの連中が物乞いギルドになったという

メイビン・ブラック・ブライアの指摘は本当だったようだ。

 

そんなため息も出たが、乗りかかった船という言葉もある。

仕方なくメルセルの元へ向かうことにした。

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